暗号通貨の将来性とブロックチェーンの将来性

更新: 2022/04/02 9:33

仮想通貨の将来性とブロックチェーンの将来性を同一視して評価する意見がありますが、仮想通貨はブロックチェーン技術の使い方の一つでしかなく、同じ将来性を持っているわけではありません。
ここでは、ブロックチェーンについて見てみましょう。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、分散型台帳技術や分散型ネットワークとも言われ、ビットコインの中核技術を原型とするデータベースの一種です。
ブロックと呼ばれる順序付けられた記録が連続して書き込まれることで、取引の経緯を記録していきます。

各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれており、理論的には一度記録すると、ブロック内のデータを遡って変更することはできないようになっています。
このブロックが連続するように保存された状態が「ブロックチェーン」です。

ブロックチェーンの構造概念図

「ブロックチェーン」は、P2Pネットワークと分散型タイムスタンプサーバーを使って管理されており、ブロックチェーンに参加しているすべてのコンピュータに保管されます。

基本的には、銀行のような特定の管理機関がないため、権限が一箇所に集中することはありません。
ですから、システム障害に強く、かつ低コストで金融サービスが運用できると期待されています。

ただし、ブロックチェーンには、パブリックブロックチェーンやコンソーシアムブロックチェーン、プライベートブロックチェーンなど複数の手法があり、それぞれ利用に適したサービスや参加方法、ブロック生成の制限などがあります。

ブロックチェーン技術は、メガバンクなどの業界がその実用化に向けて、実証実験を始めた段階です。
仮想通貨として実用化されているとはいえ、仮想通貨自体がまだ実証実験の一つと言えなくもありません。

そのため今後も、より優れた技術を取り込んでいくために分裂や新規発行などが繰り返されていくと思います。
その中には、詐欺的なものも含まれる可能性があり、社会に浸透する障害になる可能性もあります。

ブロックチェーン技術の種類は?

ブロックチェーンは、実用化に向けて、さまざまな企業で実証実験等が進められています。

ブロックチェーン技術は、一般ユーザーを含めたパブリック・ブロックチェーン、 複数の企業等が参加するコンソーシアム・ブロックチェーン、プライベート・ブロックチェーンに分類され、現在行われている実証実験の多くは、コンソーシアム・ブロッ クチェーンかプライベート・ブロックチェーンと呼ばれるものが多くを占めます。

ブロックチェーンのサービス分類と特徴

  パブリック・
ブロックチェーン
コンソーシアム・
ブロックチェーン
プライベート・
ブロックチェーン
想定されるサービス 仮想通貨や海外送金等の一般ユーザー向けのサービス 貿易金融等の契約関係に 基づく企業間サービス 分散型データベースの代替等の企業内サービス
管理者の
有無
存在しない (完全分権型) 存在する (一部分権型) 存在する (中央集権型)
ノードへの
参加
自由参加
(不正を行った者は排除)
管理者等の承認の上で
参加可能
管理者等の承認の上で
参加可能
ブロックの
生成
制限あり
(マイニング等で生成)
制限あり
(管理者等が生成)
制限なし

ブロックチェーン技術を用いたシステムは、ビットコイン等の仮想通貨のように中央管理者が存在しないイメージを持たれていますが、コンソーシアム・ブロックチェーンや プライベート・ブロックチェーンでは中央管理者が存在し、参加者のIDやアクセス権を管理するこれまでのシステム運用と大きく変わらないものもあります。

ブロックチェーン技術の注意点は?

パブリック・ブロックチェーンでは、不特定多数の参加者を対象としたサービスですから、改竄耐性の高い鎖状のデータ構造、Proof of WorkやProof of Stake等によって、ブロックチェーンの信頼性を高めることが重要になります。

コンソーシアム・ブロックチェーンでは、コンソーシアム幹事等の中央管理者が存在し、参加者の身元が明らかなため、不正行為が生じる可能性は低くなりますから、ブロックチェーン技術の重要性は低くなりますが、 決裁を早めるために決裁の自動化と関係者間で 情報を共有するために情報の秘匿することは重要になります。

プライベート・ブロックチェーンでは、P2Pネットワークと分散型台帳によって、可用性や信頼性を高め、情報を秘匿してプライバシーを保護することが重要になります。

ブロックチェーン技術の今後

外国では、ブロックチェーン技術を用いた登記システムや公文書管理システム等が次々に実用化され、企業でもブロックチェーン技術を用いた決済・送金サービスやコンテンツ管理サービスが始まっています。
日本国内でもこれから、一般ユーザーに向けたサービスが実用化していくでしょう。

ブロックチェーンの将来性は、仮想通貨にとどまるのではなく、こうしたサービスによってもたらされる決済やサービス利用に対するプライバシーの保護などの中にあるのです。

仮想通貨の将来性とブロックチェーン技術の将来性を混同しないようにしましょう。